「布のふしぎ」
アメリカでテキスタイルを学んでいた時の、織りの創作の姿勢は、全て自己表現であったという真木さん。それが変化したのは、グァテマラ、メキシコ、東欧、中国などを訪れ、生活のなかに生きている染めと織りをみつめ、体験した時でした。そこではそこにある素材で作るからこそ、無駄がなく美しく、自然とデザイン力がある織物にふれたことでした。
そのような過程を経て、インドのタッサーシルクに出会ったそうです。素材を自己表現の手段にするのではなく、「この素材から何かを作ってみたい、この素材をどうやって生かそうか」織りから糸へ、それから糸の撚り方、つむぎかた、糸を生み出す繭へ、さらにその繭をどう育てるか、何を食べているか、その木はどこに生えているか、素材の性質を理解することで、創作が広がる、今回のテーマのように「布のふしぎ」が広がっていく世界です
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「真木テキスタイルの制作活動」
ここで、真木テキスタイルスタジオの活動をご紹介しておきます。真木さんは現在、インドと深くかかわっています。それは真木さんが10年ほど前、インドの地で、タッサーシルクという野蚕(やさん)の糸にであって、魅了されたことから始まります。以来、毎年何度も当地に足を運び、むこうの手織り職人たちとともに、現代の暮らしに生きる手織り布づくりに携わっています。
日本ではまだあまりお馴染みではありませんが、真木さんが使っているタッサーシルクはとても美しい糸を紡ぎ出します。その背景をお話しします。
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「タッサーシルク」ってなに?
タッサーシルクはインド全域の森林地帯に産します。
スタジオでは主にインド中央部に産するタッサーを使います。
家蚕は桑を食べますが、タッサーは沙羅双樹(さらそうじゅ)やアルジュンという樹の葉を食べます。
タッサーは繭ごとにベージュから濃茶まで色のバラつきが大きく、そのために布に織り上がった時、木目のような美しい色の濃淡が現れます。
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「タッサーから採れる糸」
タッサーの繭からは、家蚕糸には見られない、特徴ある糸が生みだされます。
家蚕糸と比べてタッサーシルクの特徴はと言えば、より光沢があることと、シャリ感があることでしょう。一本一本の繊維が太く、また精練も途中で止めているので、かなり丈夫です。真木さんの製品はすべて水洗いでき、使い込むほどに肌になじんできます。シャリ感に関して言うと、水洗いの直後は麻を思わせる風合いですが、ほどなく柔らかくなり、また水を通すとシャリ感が現れるといった具合で、いろいろバラエティが楽しめます。
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「真木千秋略歴」
1979-81 武蔵野美術短期大学にて基礎造形・テキスタイルデザインを学ぶ。
1981-84 アメリカ・ロードアイランド造形大学にてテキスタイルを学ぶ。同校でBFA(芸術学士号)取得。
Sheila Hicks女史(ファイバー・アート)のアシスタントをする。
1985 ニューヨーク Willi Wear Willi Smith Co. にてファッションテキスタイルデザインをてがける。
1986 (株)東レ、ファッション企画部にてテキスタイルデザインをてがける。
1987-1989 (株)パシュにてファッションテキスタイルデザインをてがける。
中国、インド、タイ、インドネシア各地の染織の現場を訪ね、技法と風俗を研究。
1989 インドにて創作活動、技術指導を始める。
1990 東京・五日市に真木テキスタイルスタジオを設ける。
1990- タッサーシルク等の手紡ぎ糸を使ったオリジナル手織布制作のため定期的に、インドを往復するかたわら、
日本各地にて展示会を開催。
現在、妹の真木香とニルー・クマールとともにデザインを行う。
1994 ブレーメン・ノイエス博物館(ドイツ)のデザイン・タイム展示会に出品。
インターナショナル・テキスタイルデザインコンテスト入選(1986、1987、1990)アメリカ、セントルイス美術館、
ミネアポリス美術館に作品所蔵。
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