着物の着心地とはと聞かれると、
総じて
「
素材が絹なので軽くて
着心地が良い物です」
と答えますが、
その着物の中にも本当に
心地よい着物があります。
例えば全身を薄空気の層に
くるまれているような感覚の着物です。
結城紬などは有名で、
その多くは織物で占められています。
その中でも特に糸の段階で
吟味された生地が良い織物になります。
以前ご紹介した群馬県で座繰りの糸で
紬を織られる芝崎重一さんもその一人です。
軽く・薄く・それでいて常着として
耐えられる丈夫さを持ち合わせた布、
江戸時代に大名・旗本・御殿女中などに
もてはやされた八丈織りには
それなりの理由がありました。
八丈織りが始められたのは
いつの時代からか定かでありませんが、
1157年に源為朝に貢献されたと
記録があります。
その後江戸時代に入ると、
徳川幕府により正式に
貢納として定められ、
将軍家に御用品として
治められるようになりました。
当時は白紬で納められていましたが、
江戸時代も中期に入ると
上流の階級の人に珍重されました。
この頃は庶民には
手が届かない高級品です。
御殿女中などは、
樺染や黒地に黄の格子縞が
入った図柄を絵師に描かせて
注文するほどだったそうですから、
よほどの人気だったのでしょう。
この頃になると、
染織の技術も進み、
黄・鳶(とび)・黒の三色を組み合わせた
縞や格子が織られるようになりました。
八丈織の魅力は
さらっとした肌触りです。
その良さは2〜3年着てみて
初めて判ると言われます。
染めが糸に馴染み、
織が柔らかくなる頃です。
「緯糸が切れるくらい着ても
生地はしっかりしている。」
とのことです。
今回、この黒八丈に更紗の帯を
合わせてみました。
着物がシックな雰囲気ですので、
ハッキリとした柄の更紗で
華やかに、
でも決して派手過ぎずまとまっています。
本当に軽くて、
肌に馴染みやすい織物です。
一度手に取って見られると、
もう手が離せなくなるかもしれません。
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